現在我が国で広く一般的に用いられているものがステンレス製の鍼です。昔は銀製の鍼が多く用いられていましたが、次第にこのステンレス製のものに統一されつつあります。安心して鍼治療を行える強度と、全く錆びない耐久性。そして材料の安さを兼ね備えた理想の鍼といえるでしょう。実際その強度は大したもので、よほど乱暴に扱っても折れることはありません。ケアークルーで使用する鍼も全てこのステンレス製のものです。
ステンレスには鉄以外の金属の含有量によっていろいろな種類があります。ステンレスの代表選手SUS304は、クロム18% + ニッケル8% + 鉄74% という構成になっているのですが、ニッケルの磁性は弱く、クロムには磁性がないため(鉄は磁性があるので磁石につきます)、磁石につきません。ここから”ステンレス=磁石につかない”というイメージになっているようです。
※SUS304ステンレス鋼でも条件次第で磁性を生じることがあります。
ステンレスは熱伝導率が低く熱膨張率が高いため、電動工具などで締め付けると摩擦熱によりネジ部が膨張して雄ねじと雌ねじが密着し、動かなくなることがあります。この状態を「かじり(焼き付き)」といいます。ねじの摩擦を小さくするためのコーティング剤(主成分:フッ素樹脂)を塗れば、かじり(焼き付き)を防止することができます。
ステンレス鋼は「耐食性は良いが強度が出せない」という”欠点”がありました。強度の出せるステンレスもあるのですが(SUS410など)、今度は耐食性が劣ってしまいます。
「パーフェクトステンレス」とはこれらの問題を同時に解決した、高強度・高耐食性のまったく新しい夢のステンレス鋼です。
※パーフェクトステンレスは新日本製鐵(株)開発の新鋼種YUS-550です。
抗菌ステンレスと聞くと、「ステンレスに抗菌コーティングを施したものじゃない?」と連想しがちですが、実はステンレスに銅(Cu)を添加しただけのものなのです。銅(Cu)は析出(※)によりステンレスの表面から銅イオン(Cu2+)が溶出されて菌の酵素と反応、呼吸を停止させる作用があります。つまり菌が生きれない場所になるのです。
抗菌コーティングとは違い、抗菌効果が半永久的に持続し菌の増殖を抑えヌメリ汚れを低減できる画期的な素材です。HACCP対応品の素材として注目されています。
※析出:液体の中から固体が分かれて生成してくること。